”猫寺”でゆるやかなひとときを

御誕生寺

猫寺で、ゆるやかなひとときを。

のどかな自然のなかにある 修行の寺。

 越前市庄田町の静かな山間にある曹洞宗の寺院「御誕生寺」。福井県では曹洞宗の開祖・道元禅師が開いた大本山永平寺が有名ですが、曹洞宗のもう一つの大本山である總持寺(神奈川県)を開いた瑩山禅師は、実は越前市の生まれです。その縁を大切にしようと、この寺は建てられました。現在の本堂は2009年に完成。檀家をもたない修行専門の寺で、約20名の修行僧たちが日々修行に励んでいます。
 ありがたい寺号にちなんで安産祈願に参詣する人も多いですが、何よりも御誕生寺は“猫がいるお寺”として全国的に注目されています。

全国から猫好きが集う、猫の楽園。

 通称「猫寺」と呼ばれるように、御誕生寺には現在約30匹の猫が暮らし、境内のあちこちで思い思いに過ごす猫の姿が見られます。日なたぼっこをしたり、じゃれ合ったり、膝上にちょこんと座りに来てくれたり。そんな猫たちを眺めているだけでも心が癒されると、全国から多くの人が訪れるようになりました。猫たちのえさやりやけがの手当てなど、身の回りの世話をするのは修行僧たち。猫のえさ代や医療費は、猫好きの方からの浄財で賄われることもあります。「猫たちのおかげでお寺に来てくれる人も増えました。だから猫のためにできることをすることが私たちの役目です」と、副住職の猪苗代昭順さんは話します。

 住職の板橋興宗さんが大の猫好きで、行き場のない猫たちを引き取っていたことがきっかけとなり、猫が集まるようになった御誕生寺。一時は80匹を超えるほどでしたが、「猫たちの幸せを考えたい」という猪苗代副住職が、2013年頃からフェイスブックやブログで里親探しを開始。3年間で300匹以上の猫と里親の縁を結んできました。捨て猫がいなくなることを願って、今後も行き場のない猫たちの里親探しを継続していくそうです。

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様々なコミュニケーションが生まれる場をめざして。

 猫との触れ合いだけでなく、御誕生寺の楽しみは他にもいろいろ。毎週日曜に無料で開催される「日曜座禅会」では、御年90歳の板橋住職の御法話が聞けるほか、その後開かれる茶話会で副住職や修行僧との交流を楽しみにする人も多いそうです。ヨガ教室も毎月1回開催。お寺の神聖な雰囲気のなか、心と体がリラックスできると好評です。「人に何かを伝える立場として、様々なコミュニケーションの手段を意識することが大切」と話す猪苗代副住職は、定期的に手話教室も企画。修行僧も参加し、寺全体でバリアフリーなコミュニケーションに取り組んでいます。猫の医療費を寄付した人に渡している、オリジナルの日めくりカレンダーも人気です。かわいい猫たちの写真に、板橋住職の心和む一言が添えられており、御誕生寺での温かな触れ合いが伝わってきます。

「この寺ならではの体験を通して、“心が生まれ変わる”きっかけがつくれたら嬉しい」と話す、副住職の猪苗代さん。御誕生寺でのゆるやかな交流を通じて、人とネコ、人と人のつながりの輪は広がっていきます。

御誕生寺

住所:福井県越前市庄田町32
電話:0778-27-8821
「日曜座禅会」毎週日曜13:30~ 参加費無料
「ヨガ教室」や「手話教室」などその他イベント等の最新情報はFacebookで
https://ja-jp.facebook.com/gotanjouji/

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